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2021/3/3
東北大学
東北大学大学院医学系研究科の看護管理学分野朝倉京子教授らのグループは、新型コロナウイルス感染症流行の拡大時における看護職の精神健康の変化と離職意向の状態を明らかにした。研究グループは、病院に勤務する看護職10,000名を対象とし、精神健康の測定には心理尺度(K6)を、離職意向の測定には自作の2つの質問項目を用い、2021年1月にオンライン調査を実施した。K6の10点以上は気分障害・不安障害の一次スクリーニングをする際の目安とされており、10点を超える看護職は2014年1月の平時の調査では対象者全体の20.8%であったが、今回の調査では全体の39.8%を占めた。また、「新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、看護職の仕事を辞めたいと思ったことがありましたか?」の質問に対し、「たびたびあった」との回答が355名(15.6%)、「ときどきあった」との回答が620名(27.3%)で、合計975名(42.9%)の看護職が新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、看護職の仕事を辞めたいと思う経験をしていた。さらに、「新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、看護職の仕事を続ける自信がなくなったことがありましたか?」の質問には、「たびたびあった」との回答が280名(12.3%)、「ときどきあった」との回答が681名(30.0%)で、合計961名(42.3%)の看護職が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、看護職の仕事を続ける自信を失う経験をしていた。この結果は、新型コロナウイルス感染症の流行は、その程度の大小にかかわらず看護職の精神健康にネガティブな影響をもたらしており、看護職の精神健康ケアの必要性に警鐘を鳴らすものと言え、医療体制の維持に関する政策決定や勤務病院等での対策について大きく寄与するものと期待される。
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